アクリル板とアクリル水槽の接着方法

大型アクリル水槽のご購入にあたり価格調査などは、だいたいおすみでしょうか?
価格にかなりの差があるのにお気付きの方も多いと思います。
また、「最高級アクリルキャスト板使用」「国産アクリル板使用」
「国産キャスト板使用」「重合接着」などのキャッチコピーを よく目にすると思います。

では、「最高級アクリルキャスト板」と「国産キャスト板」の違い、
「アクリル板」と「キャスト板」の違い、
「重合接着」とはどんなものか?
など アクリルについての基礎知識を簡単に説明します。

アクリル板製造メーカー
日本の大手メーカーは、旭化成・カナセ・クラレ・住友・三菱、の5社があります。
日本国内で生産されているアクリルは、JIS規格によって厳しい品質管理のもとで
生産されており、品質の差はありません。
当社では、カナセ・住友・三菱、を主力として使用しております。

アクリル板の種類
アクリル板には、「押し出し板」と「キャスト板」の2種類があります。
製造工程に違いがあり、それぞれに長所と短所があります。

  • 押し出し板
    粘土状にしたアクリル樹脂をローラーより押し出して製造します。
    長所: 溶剤接着との相性が良い
    大量生産が出来る為、低価格で製造できる
    短所: キャスト板に比べて硬度がやや低い
    クラック(ヒビ)が入りやすい
  • キャスト板
    2枚のガラスの間にアクリル原材料を注入し、硬化させて製造します。
    長所: 重合接着との相性が良い
    押し出し板に比べて硬度が高い
    クラック(ヒビ)が入りにくい
    大きいサイズの板が製造可能
    短所: 手作業の工程が多く、価格が高い
    押し出し板に比べて溶剤接着をした場合時間がかかる

アクリル板の接着方法
接着方法は主に「溶剤接着」と「重合接着」の2種類があり
それぞれに長所と短所がありますので、簡単に説明します。

  • 溶剤接着
    この方法は、アクリルを溶かす溶液を注射器で接着する部分に注入し、
    アクリルを溶かして接合する方法です。
    比較的に接着作業がが容易な為、よく用いられる方法です。
    当社では、展示ケースや爬虫類ケースで施工する場合があります
    長所: 比較的に接着が容易
    正しく接着すればある程度の強度がでる
    短所: 接着面にクラック (ヒビ)が入りやすい
    使用条件にもよりますが、2~3年で剥離する場合がある
  • 重合接着
    接着面に隙間を設けその隙間にアクリル原材料を注入し、硬化させて接合します。
    当社で主力の施工方法です。
    長所: 一枚ものと変わらない程に強度が高い
    製作する職人にもよりますが、仕上がりが大変綺麗である
    短所: 製作工程が多い為に制作工期が必要で
    設備も必要なためコストがかかる
  • 膨潤接着
    これは溶剤接着の一つの方法で 溶剤でアクリル板を膨潤(ふやかす)させて
    接着する方法と 接着部分をセットし 溶剤を流す方法が有ります
    当社では、一部の小型水槽 等で施工する場合があります
    長所: 上手く膨潤接着すると 重合接着までの強度は出ませんが
    近い結果が得られます
    重合接着に比べて工期、手間が少なく済みます
    短所: 経時変化※注)を起こしやすい接着方法です。
    ※注)時間経過で劣化が進む事です

以上で、アクリルの種類や接着方法を簡単ですが説明させていただきました。
「最高級アクリルキャスト板」と「国産キャスト板」は、国産のキャスト板を
使用している限り同じものです。
「国産アクリル板」と表示されているものには、国産押し出しアクリル板を
使用しているものが多いようですし
単に「アクリル水槽」と表示されている製品の中には、低分子アクリル板や
低分子キャスト板が使用されている場合もございます
※注) 低分子キャスト板とは押し出しアクリル板に非常に近いキャスト板です
アクリル板の詳細に関しましてはアクリル水槽に使用する アクリル板の種類をご覧下さい

同じサイズで同じ厚みのアクリル水槽に、なぜ価格にかなりのバラツキがあるのか
少しおわかりになられたと思います。

当社の水槽は全て、「国産キャスト板」を使用し「重合接着」にて製作しています。
(低分子キャスト板は使用しておりません)
しかし当社は、アクリルの「押し出し板」や「溶剤接着」を否定しているわけではありません
上記でも記載しておりますが、場合によりましては一部の商品にて採用しておりますし
アクリル水槽をご購入される方、それぞれに飼育スタイルがあるからです。
以上の事柄をよく検討され、参考にして戴ければ幸です。

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